2015-01-01から1年間の記事一覧
私たちは通常計算をするとき、どのように考えているだろうか。3x3=9を考えるとき、行われている思考は3つのものが3つあるから9つという風に考えているわけではないだろう。子供でなければ、3x3=9は思考ではなく定義あるいは記憶だ。では37x54ではどうか。大…
自分の考えていることがどんなことなのかを確認するために文章を書いていると、ふと前に読んだ本を読み直したくなり本棚から本を取る。例えば今は柄谷行人の「終焉をめぐって」を取ったが、読み始めると自分の愚かしさが嫌になる。めげずに自分で今考えてい…
私たちは、「人と話す」ということを、ついついこんな風に考えてしまう。ある考えAがあり、それを相手に伝える。このモデルが正しくないことを示したのは、ウィトゲンシュタインである。ウィトゲンシュタインはこう言っている。 「英語をうまく話すドイツ人…
私たちはついつい、学問と呼ばれるものを絶対的な何かだと考えてしまう。そしてまたそれは当然でもある。学校で学ぶことは学問の中身であって、学問それ自体を定義することはまずない。だから改めて学問を定義しようとすると、その学問が何を目指さなければ…
様々な文化の間で、独自に作られたはずの物語が似通った物語になることがある。日本の物語とギリシャ神話を例に挙げると、イザナギ・イザナミの物語とオルフェの物語は非常によく似ている。イザナギはイザナミが死んだ後、黄泉の国を訪れイザナミを見つけ出…
何かについて文章を書こうとか、誰かについて文章を書こうと考えたとき、ある文章があり、その文章に対して反応を書くというような書き方をしてしまいたくなる。 例えば、誰かがある事件についての文章を雑誌に掲載したときに、その文章に対し、正しいと思っ…