フロイトとアドラー

アドラー心理学が一般的に人気を博し、最近ではその解説本である「嫌われる勇気」がドラマ化されている。アドラー心理学の本が本屋で平積みされるようになったのはここ10年ほどのことと感じているから、徐々に受け入れられているということなのだろう。 フロ…

責任

最近の豊洲市場問題で、石原元都知事が記者会見を行い、最後に以下の発言を行った。 「私はやっぱり、この問題の責任というのは、最後にそういうものを踏まえて裁可をしたですね、私一人の責任というよりも、行政全体がですね、私は、いろんな形で責任がある…

ダイバーシティとナショナリズム

トランプが大統領に就任して1か月が経つ。トランプの政策について、東浩紀はこのように書いている。 ”なぜトランプはこれほどひとの心をつかむのか。その肝は「矛盾」にある。…それら矛盾のなかで、もっとも深刻なものが政治と経済の矛盾である。それはとき…

必読書150について

必読書150という本がある。柄谷行人さん他が人文50・海外文学50・日本文学50でまとめたものだ。 必読書150で調べれば掲載されている全ての本が分かる。いくつかのブログで必読書150に載っているものを読み始めた、とかこんな本は読む必要が無いとか書いてあ…

小説神髄とテレビドラマ

僕はテレビドラマを見ない人間だが、最近の「半沢直樹」を知り、テレビドラマが芸術として、つまり娯楽としてだけではない価値を持つ方向性について考えた。 坪内逍遥の「小説神髄」は明治期の小説黎明期に書かれたものだが、物語や演劇、芸術について考える…

計算・思考・記憶そして思考の思考=神

私たちは通常計算をするとき、どのように考えているだろうか。3x3=9を考えるとき、行われている思考は3つのものが3つあるから9つという風に考えているわけではないだろう。子供でなければ、3x3=9は思考ではなく定義あるいは記憶だ。では37x54ではどうか。大…

名付けについて

自分の考えていることがどんなことなのかを確認するために文章を書いていると、ふと前に読んだ本を読み直したくなり本棚から本を取る。例えば今は柄谷行人の「終焉をめぐって」を取ったが、読み始めると自分の愚かしさが嫌になる。めげずに自分で今考えてい…

メタ・コミュニケーション①

私たちは、「人と話す」ということを、ついついこんな風に考えてしまう。ある考えAがあり、それを相手に伝える。このモデルが正しくないことを示したのは、ウィトゲンシュタインである。ウィトゲンシュタインはこう言っている。 「英語をうまく話すドイツ人…

物理学・哲学・経済学

私たちはついつい、学問と呼ばれるものを絶対的な何かだと考えてしまう。そしてまたそれは当然でもある。学校で学ぶことは学問の中身であって、学問それ自体を定義することはまずない。だから改めて学問を定義しようとすると、その学問が何を目指さなければ…

物語の起源

様々な文化の間で、独自に作られたはずの物語が似通った物語になることがある。日本の物語とギリシャ神話を例に挙げると、イザナギ・イザナミの物語とオルフェの物語は非常によく似ている。イザナギはイザナミが死んだ後、黄泉の国を訪れイザナミを見つけ出…

memoir

何かについて文章を書こうとか、誰かについて文章を書こうと考えたとき、ある文章があり、その文章に対して反応を書くというような書き方をしてしまいたくなる。 例えば、誰かがある事件についての文章を雑誌に掲載したときに、その文章に対し、正しいと思っ…